稲葉友が渋色スーツで“ギャップ”披露!演技とファッション、共通のインスピレーション源とは<インタビュー>


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【WHO WORE BEST=2021/11/16】11月19日公開の映画「ずっと独身でいるつもり?」に主人公の年下彼氏・公平役で出演する、俳優の稲葉友。俳優活動からラジオパーソナリティまで、マルチな才能で幅広い活躍をみせる注目の俳優・稲葉友が、WHO WORE BESTのスナップ企画に登場!


レトロシックなブラウンスーツに大人の遊び心を加えて

(C)WHO WORE BEST

稲葉が披露したのは、秋冬らしい深みのあるブラウンのセットアップを主役にした、ちょっぴりレトロな雰囲気漂う大人のスタイル。

クラシカルでかっちりとした印象のブラウンのセットアップだが、シャツとネクタイに鮮やかな柄物を選ぶことでモダンなスパイスを追加し、ほどよくカジュアルさを表現。足元にはブラックのチェルシーブーツを合わせて、トレンド感のあるコーディネートに仕上げた。髪型も色気たっぷりなかき上げヘアで、ストリート好きな稲葉の普段のスタイルとはギャップのある大人な魅力をアピールした。

ジャケット:『ポール・スミス(Paul Smith)』

シャツ:『ポール・スミス(Paul Smith)』

パンツ:『ポール・スミス(Paul Smith)』

ネクタイ:『ポール・スミス(Paul Smith)』

シューズ:『ジョージコックス(GEORGE COX)』

──今日のコーディネートのポイントを教えてください。

稲葉:今日は“かっちり大人っぽく”っていうところと、セットアップでまとめたので、中のシャツの色や柄でちょっと遊びを入れて、ネクタイの柄もシャツに合わせたってところですかね。かっちりしてはいるけど、まとまりすぎず!

──この秋冬で挑戦したいアイテムはありますか?

稲葉:なんだろうな〜。見ていると、今年はダウンベストが多いのかなという気がしていて…そういう昔からあったアイテムだけど改めてまたピックアップされているようなアイテムを着られると楽しいかなと思います。

──稲葉さんは普段どのようなコーディネートをされるんですか?

稲葉:普段は、割とジャンルでいうとストリートとかアメカジとか、そういうラフなスタイルが多いですね。ストリートだとオーバーサイズの服が多いので、基本的には上下ゆったりしたシルエットのアイテムを着ています。タイトじゃないので楽というか(笑)細身の服はあまり着ないかもしれないですね。

──今日着られている衣装とかなりギャップがありますね!細身のシルエットの服もとてもかっこいいです。

稲葉:ありがとうございます。こういうセットアップだったりスーツのようなかっちりしたスタイルはすごく好きなんですけど、普段私服を着るといえば現場に行くような時が多いので、なるべくラフな格好がいいというか。昔から好きだというのもあって今でもラフな感じの服を選ぶことが多いです。

あと、そういうアメカジとかストリートのファッションが盛り上がっていた時期に、僕らより上の世代の40代とかでもかっこよく着ている方たちが多かったのが印象的で、僕もそんな大人になりたいと思いますね。サイズ感やシルエットも、年齢とともに大人っぽく着こなせるように微調整しながら…(笑)

──お気に入りのブランドはありますか?

稲葉:よく着ているのは、ストリートのブランドで『サブサエティ(Subciety)』。20年くらい前からあるブランドで、ヒップホップやロック、スケーターなどの現場のカルチャーから、最近の新しいカルチャーまで、様々なスタイルが取り込まれているところが好きです。それと、いろいろなところとコラボしていて、アニメーションで遊んでみたりとか、企業のロゴをブランドの世界観に落とし込んでみたりとか、そういうところが面白くて気に入っています。

あとは、ブランドというより古着も着ますね!

──古着は普段どこで購入されるのですか?

稲葉:古着は下北沢とかですかね?あとはリースで、スタイリストさんによっては古着のショップから借りてきてくださる方もいるので、そこでサイズ感だったり自分の好みのイメージにハマるいい物に出会ったら「これを買いたいです…!」っていう感じでゲットすることもあります。

──スニーカーへのこだわりはありますか?

稲葉:デザインで言えば「ダンク」「ジョーダン」は昔から好きです。最近では、歩きやすさや履き心地も大事だなと思うようになって、自分の足にフィットするものを選ぶようにしています。よく履いているのは『スケッチャーズ』とかですね。ランニングシューズとかウォーキングシューズが多いブランドなんですけど、街履きとしてもデザインが可愛くて。

それから、現場に行くとバーって靴がたくさんあって「誰の靴!?」ってなることが多いんですよ。そういう時に『ナイキ』の「エアフォース1」とか『コンバース』とかだと被りやすくて。『スケッチャーズ』はデザインも分かりやすいし、わりと同世代の人とは被らないんです。いろんな意味で自分に合っているなと思います。

──ちなみに「ジョーダン」シリーズの中ではどのモデルがお好きですか?

稲葉:「ジョーダン1」ですかね。従兄弟にもらった「ジョーダン1」のクラシック、赤黒のやつがあって。スニーカーが好きになったのはそこからですね。

(C)WHO WORE BEST

──映画「ずっと独身でいるつもり?」への出演が決まった時の心境を教えていただけますか?

稲葉:素直に嬉しかったです。ふくだ監督とは初めてでしたが、制作陣の方々とは以前お仕事させていただいたこともあって、またご一緒できるというのもすごく楽しみでした。

──編集部でも作品拝見させていただきました。様々な“生きづらさ”を抱える4人の女性の人生が描かれた物語でしたが、作品を通して何か感じたことはありましたか?

稲葉:ありがとうございます。僕の演じた役の角度から言うと、生きている中で、劇的にひどい言葉で身動きがとれないほどのダメージを受けることよりも、日常の様々な角度からの何気ない言葉にちょっとずつ、でも確かに苦しめられて傷付くことの方が多いな、っていうこと。むしろ僕の役は、そういう言葉を投げかけてしまう側の立場だったんですが、ただそこに真っ黒な“悪意”ってきっとないんです。自分が他人に発する一つ一つの言葉に対してどう向き合うべきなのかとか、他人から受け取った言葉を通して何を取り入れて何を取り入れないだとか、生きていく上でみんな自然と精査しながら自分を守ろうとしていると思うんですけど、本当は初めからお互いが歩み寄って相手を思いやれたらいいよな、と。そこについては深く考えさせられました。

また、女性の人生に焦点を当てた物語ですが、女性にとって決して押し付けがましくなく、勇気付けられるような作品になっていると思うので、少しでもそのお力になれればいいなと思っています。

──稲葉さんが役を演じられた“公平”は多趣味で陽気なキャラクターだったと思いますが、ご自身と共通している点などはありますか?

稲葉:見終わった後、僕のこと嫌いになってないですか?(笑)共通点は、そうですね…あんまり無かったかなと思います。その分、演じる中では役を愛せたというか、「こうあれたら幸せだろうな」って自分がどこかで思っているような人だなって。自分と擦り合わせて共鳴するのは難しい役ではあったんですけど、良かれと思って不用意な発言をしてしまうことは生きていれば誰にでもあり得ると思うので「ああ、こういう時あるだろうな自分も」と反省しながら、自分と重ね合わせたりもしました。

──作品の中では、公平が“スニーカー集め”をするシーンがありましたよね。実際に稲葉さんもスニーカーをコレクションされたりするのですか?

稲葉:コレクション用に集めているというのはなくて、わりとちゃんと履くものに絞って実用性重視で揃えているつもりなんですが、そうやってで数が増えていってる感じですかね「このシリーズのこれが出たから欲しい!」とかはあまりなく、自分が気に入って買ったものを大事に履いていくようにしています。むしろ、スニーカーのケア用品とかの方がいろいろ見るかもしれないです。

──そうなのですね!スニーカーのお手入れ事情について具体的に教えていただけますか?

稲葉:例えば、今ってスニーカーのシャンプーとかあるんですよね。あとは、スニーカーの消しゴムとか。軽く外で拭けるやつとかブラシも出てますし、そういったケア用品が一つあれば、靴をすぐにダメにすることなく済むと思うので、靴のケアは大切にしています。

ただどちらかと言うと、新品のように見た目をすごくキレイにすることより、その“作業”自体が好きなんですよね。革靴を磨く時間とかもそうですけど、集中して靴をキレイにすることって、そこそこ時間がかかるじゃないですか。あの時間が僕は結構好きですね。

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──今後、俳優以外で活躍したいフィールドはありますか?

稲葉:今、俳優以外だとレギュラーでラジオをやっていて、それはもう5年くらいですかね。ラジオのお仕事の方をもうちょっと広げていけたら、どこまで出来るのかな?っていうのも考えてみたりはします。あと、仕事で何かやれるかは分からないですが、“音楽”。それこそヒップポップがすごく好きで、遊びで曲を作ったりとかもするので…。

──曲作りもされるのですね!

稲葉:そうなんです!なぜか、家にちょっと音取れる機材が揃ってる人とか、トラック作れる人とか、周りにいたりするじゃないですか。僕の周りにもいて、そういう人たちのところに遊びに行かせてもらってます。また、それこそラジオの仕事をやらせていただくことでアーティストの方々や音楽の作り手の方々と関わる機会がすごく増えたので、こっそりフィーチャリングとかしてみたいな〜なんて考えたり(笑)音楽的な感覚に触れている中で俳優の仕事に還元できることもあると思うので、挑戦させていただけるフィールドがあればそこから何でも吸収していきたいです!

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──先ほどからお話を伺っているところ、稲葉さんは“音楽”からインスピレーションを受けることが多いのでしょうか?

稲葉:もともとヒップホップの文化がすごく好きなので、その影響は少なからずあると思います。僕が中学生ぐらいの時、地元にインディーズのヒップホップのクルーが2つくらいあったんですが、その人たちがすごくかっこよくて、その頃から日本のヒップホップをよく聴いていました。「SDP」っていう有名なラッパーのNORIKIYOさんが所属しているクルーとか、あと「SIMI LAB」っていう僕の中学の先輩が立ち上げたクルーもあったり、そういう人たちを見て育ってきたのも大きいかもれないです。

あとファッションで言えば、僕は学生時代にB系が流行った世代なので、バスケのユニフォームとか着て、嘘みたいにデカいパンツとか履いて、それも腰履きを「腰じゃないだろ(笑)」ってところまで下げたりとか、靴も自分のサイズより大きなものを履いたりしてました。今の僕のファッションの嗜好も、やっぱりそういうところから来ているのかな〜って思います。

──最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

稲葉:今回、僕が出演させていただいた映画「ずっと独身でいるつもり?」は、4人の女性の人生にフォーカスを当てた作品で、見る人によって様々な共感の仕方があると思います。また、見る人それぞれが今人生のどのような段階にいるかによって、刺さり方が全く違ってくる映画でもあると思います。まず一度見ていただいて、この先、自分の人生に何か変化が訪れたときに、ふと振り返ってまた見ていただいて。そうやっていつ見てもその時の人生に前向きなパワーを与えてくれるような作品だと思うので、ぜひ長く愛してもらえたら嬉しいです。

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【SPECIAL GUEST】

稲葉友(いなば・ゆう)

俳優、ラジオパーソナリティとして活動。2010年にドラマ「クローン ベイビー」で俳優デビュー。2014年には「仮面ライダードライブ」に仮面ライダーマッハ役でレギュラー出演するなど、ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍中。2021年11月19日公開の映画「ずっと独身でいるつもり?」に出演のほか、来春公開予定の映画『恋い焦れ歌え』(熊坂出監督)では主演を務める。

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